つや姫マイスター日記

つや姫の生育状況や田んぼでの作業の様子、実際作付けしている生産現場から生産者の生の声をレポートしていきます。

2024.07.09

7月9日(火) ゴールドマイスターに聞く良食味生産のポイント

 土屋隆志マイスターは、令和5年度の「つや姫おいしさの神コンクール」で最上位賞のゴールドマイスターに輝いた生産者です。この日、土屋マイスターは「つや姫」の食味に大きく影響する穂肥の量と実施日を決めるため、圃場の状態を確認していました。定番の葉色板のほか、衛星リモートセンシングによる「つや姫」生育管理技術等のスマート農業技術も活用し、「そろそろ丁度良い時期だろう」と真剣な表情です。

 土屋マイスターにおいしい「つや姫」栽培の秘訣を伺うと、「基本に忠実に作ることが食味の良い『つや姫』を栽培するポイント。5月15日頃に移植をして、水管理を徹底する。『つや姫』の穂肥に使う有機質肥料は肥効が緩やかなので、遅れないように施用することが重要だ。」と教えてくれました。また、昨年度の明暗を分けた高温対策については、「昨年は記録的な高温となったが、毎年、土づくり資材を施用して、土づくりを行っているので、品質の良い、おいしい『つや姫』を作ることができたと思う。今年も高温になる予報なので、光合成活性の向上が期待できるケイ酸資材を追肥して、登熟の向上と更なる食味のアップを目指したい。」と語ってくださいました。

 「毎年、おいしい『つや姫』を作れるように頑張っています。」と笑顔で意気込みを語る土屋マイスターの「つや姫」に今年もご期待ください!

【北村山農業技術普及課】

土屋隆志マイスター

土屋隆志マイスター

農協職員と出穂前日数を確認する土屋マイスター

農協職員と出穂前日数を確認する土屋マイスター

2024.06.28

6月28日(金) 「美味しい『つや姫』づくり」の土台は「仲間づくり」

 早坂英雄さんは、豪雪で有名な「肘折温泉」がある大蔵村で活躍されているつや姫マイスターです。作付面積が「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」合わせて11.5haの水稲栽培と、特産のトマト栽培との二刀流で農業に取り組んでいますが、「農業の基盤は稲作である。」と言い切ります。大蔵村の土壌は稲作に適していることに加え、月山から清らかな水が豊富に流れており、これまでに経験のない酷暑となった昨年も、早坂マイスターは巧みな水管理が加わることで、高品質かつ良食味の「つや姫」を生産できました。

 人口が少ない村でこれからも農業を行っていくためには、何よりも「仲間づくり」が重要だと早坂マイスターは考えています。確かな技術を持ち、頼りにされている存在でありますが、田植え作業等の繁忙期には、地域の若い人の力を借りているそうで「村内の若い人が協力してくれるおかげで農業ができている。」と謙虚に語ります。

 早坂マイスターの「美味しい『つや姫』づくり」の土台には、「仲間づくり」があると感じました。

【最上農業技術普及課】

普及課職員に大蔵村の稲作の歴史を語る早坂マイスター

普及課職員に大蔵村の稲作の歴史を語る早坂マイスター

2024.06.10

6月10日(月) 「つや姫」「雪若丸」の田植えから3週間

 山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、5月20日に作柄診断圃の「つや姫」「雪若丸」の田植えを行いました。今後、10日毎に生育状況を調査・診断します。今年の生育について、茎数の増加程度や草丈の伸び具合、葉色の濃淡など、平年値や過去の値と比較してどのような状況となっているか、県内の生産者や現場指導者の皆様に情報提供していきます。

 今年は気温の変動が大きく、育苗ハウスの温度管理に苦労しました。田植え時の苗は葉数がやや多く、苗丈がやや長く、平年よりやや大柄な苗となりました。

 田植え後は最低気温が平年より低く経過し、茎の数がやや少ない状況でしたが、現在は天気も回復し生育も順調に進んでいます。

 今年も、おいしい「つや姫」「雪若丸」を全国の食卓に届けられるよう、生産者や現場指導者の皆様が必要な情報を、タイムリーにお伝えしていきます!

【農業総合研究センター】

つや姫ほ場の状況

つや姫ほ場の状況

雪若丸ほ場の状況

雪若丸ほ場の状況

2024.06.10

6月10日(月):今年も最高の「つや姫」を皆様にお届けします!

 今年度から、新たに「つや姫」マイスターを委嘱された奥山喜幸さんは、河北町で約40haの水稲を作付けする、地域の中心的な生産者の1人です。

 今年は、田植え後にやや低温となったことから、生育の停滞が心配されましたが、奥山マイスターの田んぼでは、丁寧な水管理を行って水温や地温を高め、「つや姫」が生育しやすい環境になるように管理したため、順調に育っています。

 「昨年のように猛烈に暑い夏でも、土づくりをしっかり行って、丈夫な苗をつくり、細やかに水管理を行うと、いい米を作ることができると実感した。この考えや技術に基づいて管理を進めたところ、順調に稲が育ってきているので、今後も基本に忠実な米づくりを行って、最高の『つや姫』を消費者にお届けしたい。」と優しい笑顔で話してくれました。

 奥山マイスターの今後の活躍と今年の「つや姫」に、是非、ご期待下さい!

【西村山農業技術普及課】

稲の分げつの状況を確認する奥山マイスター

稲の分げつの状況を確認する奥山マイスター

2024.05.17

5月17日(金) 「つや姫」の田植えがスタート!

 5月15日、山形市のつや姫マイスター平吹拓也さんが「つや姫」の田植えをスタートしました。苗を育てている間は平年より気温の高い日が続き、苗が徒長しないように管理に苦労されたそうですが、育苗ハウスの温度をこまやかに管理したおかげで、「つや姫」はがっちりとした丈夫な苗に育っていました。

 平吹マイスターは、「米づくりは基本的な技術をしっかり行うことがとても大事。イネの根が十分に栄養や水分を吸収できるように田んぼを耕す深さを確保した。これで、天気が変動してもイネが自ら対応できるようになる。次は水の管理をしっかりとやること。田植え後も暑くなりそうなのでこまめに水管理を行い、今年も美味しい『つや姫』を作りたい。」と話してくれました。

 出来秋にはおいしい「つや姫」をたくさんの方々にお届けできるよう、大切に育てていきます!
 

【村山農業技術普及課】

田植え前に苗の様子を確認する平吹マイスター

田植え前に苗の様子を確認する平吹マイスター

田植え作業を行う平吹マイスター

田植え作業を行う平吹マイスター

2024.05.14

5月14日(火) マイスターの田んぼでいよいよ田植え開始!

 鶴岡市のつや姫マイスターの加藤健市さんは、5月11日から「つや姫」の田植えをスタートしました。平成19年に「『山形97号』展示圃」を担当して以来、「つや姫」18回目の田植えです。「山形97号」は「つや姫」と品種名が付く前の番号名であり、試験栽培をしている頃から「つや姫」を栽培されています。

 4月14日に播種作業を開始した加藤マイスター。苗を育てるハウスが適温になるようこまめに温度管理を行って、健康な苗を育てるために力を入れてきました。播種後の高温や低温を乗り越え、きれいに揃った苗を見て、「今年は暑かったり急に寒くなったりで管理が難しかった。苗を育てる期間全体としては気温が平年より暑い日が続いたから苗の生育が早かった。苗の生育に合わせて移植を前倒した。」と、ほっと息をつきながらおっしゃっていました。加藤マイスターは大規模農家であることから、作業を前倒しするには多大な労力が必要になります。それでも「つや姫」の生育を思って、最適となるように作業計画を調整して実施しています。

 令和5年夏の高温の影響で品質低下が見られました。今年は、品質を復活するために例年以上に品質・食味・収量の3拍子揃った「つや姫」を目指しています。県で作成した「『高温少雨対策マニュアル』を参考に技術を再確認し、天候に合わせた圃場管理を行ってリベンジする!」と意気込みを語ってくれました。

【庄内農業技術普及課】

田植え機に苗をセットする加藤マイスター

田植え機に苗をセットする加藤マイスター

鳥海山をバックに田植えを行います

鳥海山をバックに田植えを行います

2024.04.18

4月15日(月) 作土の深さを確認しながら丁寧に耕起作業を進めています。

 農業総合研究センター水田農業研究所(鶴岡市)では、桜の花が咲くなか耕起作業がスタートしました。

 昨年夏の記録的な高温少雨の影響で、県産米の一等米比率は大きく低下し、「つや姫」はデビュー以来初めて一等米比率が90%を下回る結果となりました。耕す時の深さが浅いと稲の根は高温や乾燥の影響を受けやすくなります。最後までしっかり登熟できる稲となるためには、15cm以上深く耕して根を深く張れるようにすることが大事なポイントです。作業にあたる職員は、勘に頼らず、始めに耕した深さを確認し丁寧に作業を進めています。

 当研究所では、気象変動に強い米づくりの基礎となる技術開発に取り組んできました。これからも基本技術を大切にしながら、現場の役に立つ栽培技術の開発に力を入れていきます。

【水田農業研究所】

桜の咲くなか耕起作業スタート

桜の咲くなか耕起作業スタート

作土深確認の様子

作土深確認の様子