つや姫マイスター日記

2022.07.25

7月25日 「奨励品種決定調査」と「つや姫」の幼穂(ようすい)

 農業総合研究センター水田農業研究所(鶴岡市)では、水稲の「奨励品種決定調査」を行っています。奨励品種とは生産・流通対策上、主力品種として県が奨励する品種のことです。例えば、県内で広く栽培されている「はえぬき」や「つや姫」「雪若丸」などが挙げられます。毎年、まだ名前のついていないたくさんの稲の収量性・品質・食味などが調査され、良い成績を残した稲だけが、奨励品種の候補として残っていくことになります。コシヒカリの先祖となった「亀の尾」が山形県の奨励品種に採用されたのは大正3年(1914年)なので、なんと!この制度は100年以上も続けられていることになります。

 さて、奨励品種決定調査の田んぼでは、毎年7月に「幼穂(ようすい)調査」を行っています。幼穂とは幼い穂のことで、「穂の赤ちゃん」といってもいいかもしれません。幼穂は、少しずつ大きくなって稲穂となって出てきますが、その稲穂になる途中の大きさを測ることで、穂が出る何日前かを予想することができます。山形県では幼穂の成長にあわせた栽培指導を行っており、「幼穂調査」によってその時期を逃さないようにしています。写真1は、7月21日に観察した「つや姫」の幼穂です。幼穂の長さから、穂が出て20日前とみられ、8月10日頃に穂が出ると予想することができました。

 写真2は奨励品種決定調査を行っている田んぼの様子です。圃場の手前には「つや姫」と「雪若丸」のロゴマークの田んぼアートを作っており、見頃を迎えております。当研究所にお越しの際は是非一度ご覧ください。

【水田農業研究所】

写真1 つや姫の幼穂(花粉母細胞分化期)

写真2 「つや姫」と「雪若丸」のロゴマークの田んぼアート